Hospital Up Diary

医療事務のホスピタリティー向上委員会

手足口病はどうして薬が効かないのか

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一度にいっぱい飲む時って苦しいですよね

先日の記事で「手足口病がここ10年で最多となったとのこと」をアップさせていただきました。その中で、手足口病には特効薬がない】ということをお伝えしましたが、なぜ?と思われる方もみえると思いますので、少し掘り下げていきます('◇')ゞ

甥っ子の手足口病はおかげさまで完治しましたが、そのお母さんにうつってしまいダウンしています。やはり大人も予防が大事ですね。

 

手足口病のメカニズム

主にコクサッキーウイルスA群とエンテロウイルス71型が原因で引き起こる感染症です。【ウイルス感染】なのです。夏~秋にかけて乳幼児に多く感染し、ウイルスは腸管(小腸や大腸)で増殖をします。ウイルスは腸管の細胞に入り込み、その細胞を自分のDNAと合体させて乗っ取ってしまします。ウイルスに乗っ取られた細胞は正常な働きをせず、異常な反応をしめします。手・足の水疱、口の中の水疱・口内炎として現れるという構造です。発熱自体は30%程度の人にあるようですが、ほぼ軽度(38℃以下)だそうです。中には、ウイルスが神経に作用して、無菌性髄膜炎急性灰白髄炎(ポリオ)を引き起こす可能性があるため、必ず病院へ行きましょう。

 

国立感染症研究所 2004年~2008年病原微生物検出情報治

 

 治療の経過

 痛みが伴うことがあるため、鎮痛薬などで自然治癒を補助します。多くは1週間程度で快方へ向かいますが、口腔内にできた水疱が潰れてしまい、口内炎になるケースがあります。口内炎の痛みで食事ができないため、二次的に脱水になってしまう可能性もあるので注意です( ゚Д゚)!手にできた水疱が爪を剥がしてしまうことがあります。爪の変形等もみられるようですが、これも自然治癒するようです。

 国立感染症研究所 手足口病後の爪変形・爪甲脱落症

https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2107-iasr/related-articles/related-articles-385/1762-dj3856.html

  

似ている病気 ヘルパンギーナ

手足口病と同じコクサッキーウイルスA群により感染・発症をします。夏~秋、乳幼児に好発するところや、口腔内に水疱ができるところがとても似ています。しかし、39℃以上の熱が出たり、口腔内でも奥の方に水疱ができる所が異なる部分です。こちらも自然治癒で約1週間程度で症状が消失します。ただし、発熱や痛みが伴うため病院へ行き、解熱鎮痛薬にて症状を落ち着かせることが良いでしょう。

 

両病気も口内炎がいっぱいできるかもと思うと、恐ろしい!食べることが好きな人にとってはこれほどの苦行はないでしょう( ;∀;)前向きにとらえて口内炎ダイエットと思うかぁ…ん~やっぱり病気にはなりたくない!

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医師も薬も万能ではない

 手足口病に薬が効かない理由

手足口病の痛みなどの症状に対することは薬でも改善ができます。例えば痛み止めですね。ただ、手足口病も根本原因のウイルスに対しての薬はありません。なので、治療は「対症療法(症状を抑えて、自然治癒を促す)」となります。ではなぜ薬がないのでしょうか?それは【ウイルス感染】がポイントとなるようです。感染症の中には、食中毒などの【細菌感染】と手足口病の【ウイルス感染】があります。細菌感染の場合は、その細菌に対して抗生剤・抗菌薬を投与すれば原因菌のみをやっつけることができます。これに対し、ウイルスは細菌などの細胞を有する生物と違って、細胞がありません。抗生剤のように細胞レベルに攻撃をする薬では効き目がないのです。加えて、ウイルスは種類が多く、その繁殖方法もそれぞれ違います。よって、ウイルスには薬が効果的に届かないのです(T_T)/~~~ということで、手足口病の原因ウイルス対する薬自体が存在しないため、症状を抑える対症療法が治療選択となる訳です。

 

 

いやはや、根本治療の方法がないのは弱っちゃいますよね(+_+)ちなみに、コクサッキーウイルスA群だけでも24型まで確認されています。特効薬を準備するには、この24型までの薬を開発して、患者さんが何型にかかっているかを正確に検査をする必要がでてきます。おまけに、ウイルスの変化に合わせて薬を改善し続けることが必要です。それは現実的に無理ですよね( ;∀;)やっぱり、手洗いうがいの予防策が一番の治療?ですね!ご自愛下さい。