Hospital Up Diary

医療事務のホスピタリティー向上委員会

【必ず】活用しよう!高額医療費制度の活用方法②〈多数該当編〉

 

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人は考える葦である

それでは前回のおさらいです。高額医療費制度とは「健康保険診療」の時に「その月」の「自己負担」を「所得に応じて減額」してくれる制度でした。そして、申請方法には「事前=限度額適応認定」と「事後=高額医療費支給」がありましたね('◇')ゞ

ほとんどの方は、ここまで知っていればほぼ問題はないと思いますが、諸条件によりより細かな制度を使用することもできます。

長期的な高額医療費の利用(多数該当)

ここでいう長期=4か月以上を指します。高額医療費制度には1年間で4回高額医療となった場合に、4か月目よりさらに安くなるという制度です( ゚Д゚)

 

高額医療の原則

 

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高額医療費制度の原則として、その対象となる医療費は「患者1人」「毎月」「病院単位」「入院・外来別」に計算されます。患者が違えば家族でも同一とはみなされませんし、患者が同一でも入院と外来の医療費は同一とみなされないという基本があります。

これらは【合算】が可能ですが、今回は「多数該当」のお話ですので注目していただきたいのが月ごとに計算するという捉え方です。これを念頭に以下を読んでみてください('◇')ゞ

 

 

多数該当時の医療費

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高額医療費の一覧の左側に「3月以上」や「多数該当」と表記がある欄があります。

1年間に3回以上の高額医療費の対象となった場合に、4回目より実際にかかった医療費に関係なく、支払い額が一定となる制度になります。

③「ウ」の所得区分に属していて、3回以上高額医療になった場合は4月目以降より、医療費が44,400円に固定されます。この【多数該当】の制度は特別な申請は必要なく、病院が勝手にカウントしてくれます。(限度額適応認定証提示の場合)

 

多数該当のカウントの仕方

 

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初めて高額医療費の対象となった月から直近12カ月が対象となります。

たとえば、7月高額医療適応(カウントスタート)となった場合、8月・9月も高額医療対象なら10月の高額医療は「多数該当」の取り扱いとなります。その後、11月・12月が高額医療対象外でも、直近12カ月は有効のため1月の高額医療は「多数該当」の取り扱いとなります。そして、翌年6月にカウントは終了となります。

翌年8月に高額医療が発生した場合は、再カウントスタートとなるため、9月・10月の高額医療を経て、11月からの取り扱いとなります。

高額医療適応から12か月以内に3回(月)以上高額医療対象となった場合に適応されあるということです('◇')ゞ

 

70歳以上の多数該当

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70歳以上の場合は、高齢者の高額医療費の適応になります。

( )書きの金額が多数該当の対象金額となります。70歳以下の方と適応条件はまったく同じです。高額医療費や多数該当に関しては、高齢者でもあまり優遇されている感じはないですね( ゚Д゚) 区分Ⅰ・Ⅱに関しては多数該当という考え方自体なく、高額医療費が低価格のため、連続で高額医療となっても金額は変わりません。

注意点として、高齢者の高額医療費の計算は病院が勝手にしてくれるシステムとなっています。ただ、3割負担の方は「現役並み所得Ⅲ」1割の方は「一般」で計算されてしまします。多数該当も同様になるため、所得が「Ⅲ」又は「一般」以外の方は【限度額認定証明証】を発行するか、一旦支払いをして市役所へ払戻(償還)手続きを行う必要があります。

「一般」の方は外来上限額が設定されていますが、これは多数該当のカウントには数えません。しかし、年間上限が設定されています。「一般」の方はあくまで、57,600円の高額医療が3回以上続いたときに44,400円となる仕組みです(+_+)分かりにくい……

 

途中で保険証が切り替わった場合

 

社保から国保に変わった場合は多数該当の通算はされません。

社保・国保から後期高齢者(75歳)に変わった場合は多数該当の通算はされません。

これ以外でしたら基本的には通算されます。①社保→社保(転職など)②国保国保(引っ越しなど)③国保退職者→国保④船員→船員(他県移動)➄社保→社保任意継続などが挙げられますが、通算されます。

後期高齢者医療保険への切り替えは75歳になる日のため、月の途中で保険が切り替わります。切り替わり月は多数該当に認定されますが、それ以降は期間が通算されませんので、ご注意ください。

 

途中で病院が変わった場合

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 転医後の病院では前の病院で「いつ」「いくらの」支払いがあったかは分かりません。多数該当の通算対象だとしても、把握はできないのが現状です。

 

パターン①領収証などを見せて通算対象にしてもらう

 

病院さんによって対応はことなりますが、高額医療が対象になっているかは医療事務であれば領収証を見れば分かります。領収証によって通算されているとわかれば、それなりに対応してくれる病院もあります。もしくは、事前に前の病院から多数該当を証明する文書や電話連絡などで連携をとってもらうのも一つの手かもしれません。

ただし転医月は双方の病院で中途半場な医療費となり高額医療費に届かない可能性もあります。その場合【合算】できますが、自身で保険者へ払戻(償還)請求をする必要があります。

 

パターン②病院から保険者に連絡をとってもらう

 

患者の加入している保険者に多数該当の問合せをしてもらい対応してもらう方法です。しかし、昨今は保険者に問い合わせても「個人情報ですので」と教えてもらえない可能性もありますので、望み薄でしょう。

 

パターン③自分で償還(払戻)請求をする

 

面倒ですが、これが一番現実的かも…(+_+)

一旦病院窓口では支払いを行い、多数該当月がある場合は加入している保険組合に払戻請求をすると、ちゃんと戻ってきますよ。

多数該当で転医の複雑な事情をお持ちの方は、他の申請もあると思いますので一緒に払戻(償還)請求をされると良いでしょう。

 

どうであれ、病院の領収証というのはいろいろな助成に必要なケースがありますので保管しておくと良いでしょう( `ー´)ノ

 

医療従事者の方の注意点

 数該当の通算は患者さんが知らないことが多々あります。医療機関で把握してあげることもホスピタリティーのひとつでしょう('◇')ゞ電子カルテなどでは自動計算してくれますが、紙カルテ等の場合はレセプト管理の時に通算対象を把握すると良いと思います。

特に保険切り替わりにより、通算が引き継げないケースはしっかりと把握し患者さんに説明をしてあげてください。特に入院担当の医療事務員はしっかりと制度を把握しておく必要がありますね( *´艸`)

後期高齢者75歳達成月は月途中で所属する保険者が分かれるため、請求方法が特殊です。達成月のみ前期高齢保険者と後期高齢保険者へ患者自己負担分の内訳は1/2ずつとなります。

 

 

簡単ではありますが、高額医療費制度の多数該当のシステムです('◇')ゞ やや複雑ではありますが、長期間高額な医療費が発生するとより安くなることだけを覚えておいてください。いろいろな医療の仕組みがありますが、基本は憲法で定められている【生存権】を軸になっています。困った時には、救済制度があるかもしれません。困ったらググればいいのです( `ー´)ノ