Hospital Up Diary

医療事務のホスピタリティー向上委員会

公費医療制度の基本的な考え方を捉えよう


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公費で保障される医療制度は色々あります

医療制度の中には、通常の健康保険の他にも公費(国のお金)で医療を受けれるというものがあります。公費医療制度には様々な種類がありますが、一つ一つがとても複雑で「なにがなんやら」と言う方も少なくないと思います。そこで、公費医療制度を大きな枠組みで捉えて少しでも制度を理解していただければと思います('◇')ゞ

 

公費医療制度とは

 

 

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公費医療とはすべて我々の税金で支払われています。

その支給対象者は各制度の法律で定められた条件に当てはまる人となります。

公費医療制度は大きく分けて【公衆衛生】的、【社会福祉】的、【研究】的、【国家補償】的な制度です( `ー´)ノ

公衆衛生的

衛生状況の底上げを原理として、健康を損なう可能性のなるものに助成を助成します。主に感染症など、広がると社会全体の環境が悪くなってしまうため助成をし、衛生状況を保つための公費です。

社会福祉

様々な生活背景の問題に対し、助成します。生活環境の改善や自立をサポートする目的として、生活保護や児童福祉などが挙げられます。

研究的

疾患の原因や治療法が確立されていない病気に対して、医療研究費の名目で助成されます。

国家補償的

戦争や公害などによる健康被害、つまり国家に責任のある医療に関して助成されます。

 

公費医療制度の種類

 

 

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公費負担医療制度の一例

大きく分類すると4つのカテゴリーからなる公費ですが、さまざまな制度が存在します。それぞれの法律があり、それに準じて支給されます。ほぼ申請には医師の診断書が必要であったり、医療機関を受診する際には「受給者証」などの証明証を保険証と共に提示する必要がります。一例はよく利用があると思われる制度をまとめました。これらはすべて国の税金により支給されます。

これらの他に、地方自治体(市町村)が運営する公費医療制度があります。【子ども医療】【母子(ひとり親)医療】【障害者医療】などです。上記の一例とは異なり、国ではなく地方自治体が運営しているため、市町村レベルによって制度内容が変わってきます。しかし、税金で賄われているため公費負担医療といえるでしょう。

 

公費医療制度の優先順位

 

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今回の話の肝ですが、公費負担の医療制度はめちゃくちゃ種類があります。そして、それらを併用する方も沢山います。利用している患者や病院事務員も時々「?」となってしまう時があり、何を優先させて、何と併用できないのか。と訳が分からなくなってしまします( ;∀;)

優先順位の考え方

①基本的には健康保険が第一優先となります(公費全額負担の制度も存在します)。

②国家が保障する公費医療を適応させます。

③市町村(地方自治体)が運営する公費医療を適応させます。

③’ 生活保護の場合、国家公費の次に生活保護を優先させます。生活保護と地方公費は併用がないと思って良いでしょう。もちろん、全額生活保護による支給の方もいます。

複数の公費医療の優先順位

優先順位

法別

対象

1

13

戦傷病者

2

14

3

18

原爆被爆

4

29

感染症

5

30

心神喪失

6

10

結核

7

11

8

20

精神措置入院

9

21

精神通院

10

15

更生医療

11

16

育成医療

12

24

療養介護医療

13

22

麻薬措置入院

14

28

一二類感染症

15

17

育成医療

16

79

障害児医療

17

19

原爆被爆

18

23

養育医療

19

51

特定疾患

20

38

肝炎特別促進

21

52

小児特定疾患

22

53

児童福祉措置

23

66

石綿被害者

24

25

中国在留邦人

25

12

生活保護

国の公費は表のような優先順位となります。

1~3の公費は「公費優先」のため、健康保険は適応せず全額公費負担となります。その他は健康保険との併用となるため、健康保険を優先させその後に国の公費の適応となります。

地方自治体の公費同士の併用は原則ないと考えて良いと思いますが、市町村により取り扱いがことなるため、問い合わせた方が間違いないでしょう( ゚Д゚)

 

公費医療で注意すること

 

・適応期間の確認

 公費医療は発症した時期や、申請日、認定日と適応になる時期が変わってきますそれぞれの法律により、適応日が変わりますので注意です。もし、実際に治療を開始していても遡及(さかのぼって)助成を受けられるかは確認した方が良いでしょう。

 もちろん、終了日もある公費がありますので利用期間をしっかりと把握し、再申請される必要があるものは注意しましょう。

・受給者証や管理票

 それぞれの公費により呼び方は変わりますが、「受給者証」を保険証と一緒に病院へ提示しなければいけません。もし忘れた場合は助成を受けられないため注意です。

 公費によっては【自己負担上限額】が決まっているものがあります。自己負担が1万円/月であれば、1万円以上支払った場合にはみだし分のみを助成する形です。この自己負担を記録するため【自己負担上限額管理票】を発行する制度もあります。これも病院へ持参しなければ正しい料金で助成を受けることができないです。

・病院が限定される制度

 主に「研究的公費医療」が対象となりますが、登録病院のみ助成適応となる制度があります。登録病院や薬局を確認し、もし他の病院へかかりたい場合は事前に申請する必要がありますので、受給者証を確認しましょう。

 ・地域が限定されている制度

 主に「地方自治体公費医療」ですが、住所地の都道府県やより狭域のみで適応となる制度も存在します。必ず受給者証に記載があるためチェックが必要です。この場合、事後申請で助成金を払戻請求をすることができます。

 

まとめ

 

・公費には4分野があり国運営と地方自治体運営に分けられる

・原則①健康保険②国公費③地方自治体公費③’生活保護の順で適応される

・国公費には優先順位があり、地方自治体公費は併用は原則なし(問い合わせを)

・各公費には「受給者証(証明証)」があり、医療機関に提示する必要がある

 

 

と公費医療制度の原則を書きましたが、あくまで原則的考え方でありはみ出し者も存在します。しかし、全体像を把握することは各制度を理解する上でとても大切です('◇')ゞ患者さんも病院さんもしっかりと理解して制度を活用していきましょう( `ー´)ノ

 


 

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