Hospital Up Diary

医療事務のホスピタリティー向上委員会

【保険外併用療養費】とその種類について

 

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病院の料金形態は健康保険における「診療報酬点数」によって決められていますよね。しかし、点数がない診療や道具やサービスの値段ってどうなっているのでしょうか。今回は、【保険外併用療養費】や【混合診療】についてさらっとまとめていきたいと思います('◇')ゞ

 

保険外併用療養費と混合診療について

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本邦では保険診療自由診療を一連の診療行為で同時に行うことを混合診療と呼び、混合診療を禁止しています。保険診療を行うのであれば、診療行為の中に保険適応外の治療法や薬剤を使用することはいけません (+_+) 

しかし、例外的に保険診療と併用しても良いサービスがルールで決められています。この併用しても仕組みを【保険外併用療養費】を呼びます

保険外併用療養費制度の「特別な料金」についての①金額の設定②患者からの徴収の有無は病院の任意となっています。

しかし、定めた内容は地方厚生局への報告義務があり、患者によって徴収しなかったり、金額を変更することは認められていません。

 

保険外併用療養費の種類と実費負担サービス

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保険外併用療養費には3種類あります。①評価療養②患者申出療養③選定療養です。

①評価療養=医療の高度化に対応するもので、将来的に保険導入を検討すべき医療技術をいいます。安全性や有効性・普及性などが確認されます。

②患者申出療養=未承認薬の使用や、患者さんからの申し出に基づき個別に許可される医療をいいます。制度自体も若く2016年に導入されています。

③選定療養=医療ニーズの多様化に対応するもので、患者自らの希望により受ける医療をいいます。

その他にも「直接療養の給付と関係のないサービス」については、患者さんから実費で徴収することが認められています('◇')ゞこれは診療と関係のないので混合診療にあたりません。実費徴収例は以下の通りです。

・日常生活上のサービス費(おむつ代・テレビ代・クリーニング代など)

・公的保険給付と関係のない文書費(証明代・診断書代・カルテ開示代など)

・医療行為であるが治療疾病に関係のないもの(予防接種・美容形成など)

・その他(外国人患者通訳代など)

一方で、シーツ代や清拭用タオル代、医療相談などは療養の給付と関係があるため実費徴収は認められません。

 

 評価療養について

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◇医療技術に係るもの【先進医療】

先進医療はその技術自体を厚生労働省が認め、その技術を提供できる病院の設備やスタッフ体制を届出を行った病院のみで適応されます。条件をクリアできれば、混合診療を認められます。

 ①既存の技術と異なった優れた効果をもつ「先進技術」として承認されたもの。

 ②医療技術ごとに有効性・安全性が確認され、承認される。病院の施設基準も設定されて、病院が届出により実施可能となる。

 ③第2項先進医療と第3項先進医療に分けられ、第3項は未承認の医薬品や機器を使用する。実施できる病院は個別に認められた病院に限る。

 

◇医薬品・医療機器・再生医療等製品に係るもの【治験・未承認使用】

①薬の治験に係るもの

 ・治験に係る検査・画像診断・投薬・注射は治験依頼者から徴収可能。

 ・治験内容を患者に説明できない(盲目的試験)の場合は適応できない。

 ・毎年、治験の実施状況を地方厚生局に報告しないといけない。

②医療機器(再生医療製品)の治験に係るもの

 ・試験の実施に関する基準をクリアしていること。

 ・患者への説明を前提とし、その自由選択と同意を必要とする。

 ・治験期間内の手術、処置の前後1週間に行われた検査等すべて治験依頼者の負担となる。

 ・毎年、治験の実施状況を地方厚生局に報告しないといけない。

③保険適応前の承認医薬品・医療機器等の使用

 ・そのと投与に係る薬剤料・医療機器費用に相当する費用を患者から徴収する

 ・承認を受けた日から薬は90日以内、機器は240日以内に行われた場合に限る

 ・患者への説明を前提とし、その自由選択と同意を必要とする。

④保険適応の医薬品・医療機器等の適応外使用

 ・一部変更承認申請につき、事前評価を開始して6月又は申請受理後2年の範囲で特別料金を徴収できる

 ・料金に関しては薬価基準の別表に定める価格を基準とする

 ・評価が終了した時点から追加効能・用法を保険適応する

 

病院で使用される医薬品や医療機器はすべて薬事承認を受ける必要があります。先進的で最新の薬や機器を使用した治療は保険適応外になり、それらを使用すると「混合診療」(違法)になってしまいます。これを一部認める制度ですね( `ー´)ノ

 

選定療養について

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◇利便性・快適性によるもの

 ①特別療養環境に係るもの=入院中の個室ですね ('ω')

 個室には患者の意思と基準を満たしていることが必要になります。病室の50%以下(一般)であること、4床以下1人当たり6.4㎡以上、私物収納・証明・テーブルや椅子などの設備を備えていること。

 料金は厚生局へ届出を行い、ディスカウントなどは禁止されています。但し、病院側理由により個室利用を強いる場合は個室料は請求できません。

 請求ができない例:患者同意なし・治療上の理由による・感染症隔離のため など

 ②予約診療

 予約時間から30分以上待たせず10分以上の診療時間を確保すること。外来時間の8割までとし、医師1人につき1日40程度を限度とする。夜間・休日・深夜でも徴収可能であるが、その場合は各種時間外加算は算定できない。

 ③時間外診療

 緊急性がないにも関わらず患者都合により時間外診療をした場合適応となる。料金は時間外加算の点数相当額を標準とします。

 

医療機関の選択性によるもの

 ①200床以上の病院の紹介状なし初診

  紹介状がない場合に初診料とは別に特別な料金を徴収できる。

 ②400床以上の病院の紹介状なし初診(特定機能病院 ・一般病床数)

  紹介状なしの場合は5000円以上支払いを受けなければいけない。しかし、正当な理由がある場合は支払いを求めなくてもOK ('◇')ゞ

 ①・②の再診の場合も徴収可能。再診の②は2500円となる。

 

 ◇医療行為等の選択性によるもの

 診療報酬上の回数限度を超えた診療行為の内、以下のものは実費と保険の併用が認められている。

 対象項目:腫瘍マーカー・各種リハビリ(デイケア)・180日超入院の入院料

 

保険外併用療養費と消費税について

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保険医療は非課税です。医療費は消費税がかかりません。しかし、実費負担をする保険外併用療養費は課税対象となります。単純に×10%の料金となります(2019.10現在)。

病院実費徴収分は課税対象となり、間接税として納税義務があることも把握しておかなければいけません。

 

国税局監査にて「個室料を徴収していないことは患者の不労所得になる」と指摘を受けた病院のお話を聞いたことがあります。個室料は病院都合での利用は患者から徴収できません。これは厚労省ルール化されています。これを説明しても、財務省ルールでは感覚が違うようです(+_+) 縦割社会… 徴収すれば不正請求で徴収しなければ患者の脱税となる…どうなっているんだ?( ;∀;) この話の結論は個室を利用するが、個室料は免責される免責書を記入してもらうということでした。いやはや、話が長くなりました。また実費徴収に関して記事にしたいと思います。

 

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